「法廷」開催に寄せられたメッセージ (日本国内から)

 


  • それぞれの地域で「慰安婦」問題に取り組んでいるグループや個人の方から、 グループの紹介・日頃の活動報告・「法廷」にむけてのメッセージなどをおよせいただきました。(順不同)
  • 「バウネット・ナガノ」づくりをめざして(長野)
  • 9月に松井やよりさんを長野にお迎えし「バウネット・ジャパン」の活動内容や「女性国際戦犯法廷」について報告をしていただきました。そのなかで、現在も戦争や武力紛争の地で女性への暴力が横行している現実と、日本国家が侵した女性への性犯罪が現在も繰り返されている事実に強い憤りを感じました。塗炭の苦しみから解放されずに、今なお悩む多くの被害者の訴えに対して、真摯に応えていくことが私たち自身に求められている課題だと思います。
     この講演会を機に、バウネット・ジャパンの活動が民衆の手による「女性の人権」の視点に立った、戦争と暴力のない新しい世紀に向けてのメッセージであると受けとめながら、微力ですが取り組みをはじめました。具体的には、提起されました「女性国際戦犯法廷」を成功させるための「法廷基金」について、現在「1万人キャンペーン」が実施されておりますが、その運動を支援するために賛同者の呼びかけと「法廷基金」、「メッセージ」への協力要請を始めました。また、性的被害者に対する事実関係を調査するために、地元の旧軍人にアンケートへの協力を呼びかけております。まだ十分な取り組みができているわけではありませんが、今回の講演会を出発点として「女性国際戦犯法廷」への連帯行動を通して、長野における女性ネットワーク(バウネット・ナガノ)づくりの第一歩にしていきたいと考えております。これからも「バウネット・ジャパン」のみなさんの活動に力を合わせてがんばっていきたいと思いますので、よろしくお願い致します。(長野・民衆運動研究所 竹内茂人)
  • 鹿児島の聞き取り調査~「伝の伝を頼って」(鹿児島)
  • 鹿児島の特攻基地といえば本土防衛の最南端基地として建設された鹿屋や、映画「月光の夏」の知覧が有名ですが、今回私たちが初めて取り組んだ聞き取りは鹿屋に隣接し1944年に設営された「串良基地」。ここでは毎年町主催の慰霊祭が飛行場跡地で盛大に行われていて私たちの「メンバーの伝」で参列者の一人に当時のことを話してもらいました。本来なら郷土部隊の生存者とか戦友会をたずねたいところですが、元兵士の聞き取りをしようと集まったメンバーがなぜが全員県外出身。言葉だけにとどまらない大きな壁を感じなかなか聞き取りに踏み出せない状態からの第一歩でした。その方は串良から沖縄に向けて2度特攻で飛び立ち飛行機のエンジントラブルで途中不時着してそのまま8月15日を迎えたという方です。もともとは百里の航空隊所属串良には2週間くらいの滞在で慰安所のことをストレートに確認することはできませんでしたが、次の聞き取りの対象のめぼしをつけることが出来たことや当時の飛行場付近の大まかな配置などを確認することができたことは収穫でした。そして何より小難しい軍事用語をおじいちゃんがわかりやすく解説してくれるといった感じの聞き取りでまずはいいウォーミングアップ。
    ついでですがこの夏、仕事で県内の一離島を訪れたとき「せっかく来たのにもったいない」と宿泊した旅館の女将さんの「伝の伝を頼って」半日聞き取りをしたら、戦時中飛行場基地建設に多くの朝鮮人家族が流入していた事実が確認できました。郷土史は「全島の住民が総出で建設した」ということになっているんですけどね・・・。ちょっと聞き取りが楽しくなる出来事でした。(会員・疋田京子)
  • 関釜裁判を支える福山連絡会(福山)
  • 昨年12月8日、関釜裁判の山本晴太弁護士をまねき、結成集会を開いてから1年が過ぎました。福岡、広島、そしてついこの11月27日に結成された広島県北の支える会と協力しながら、これまでに開かれた4回の口頭弁論で常に傍聴席をいっぱいにしてきました。さらに、毎回いくつかの支える会で原告との交流会・報告集会を開催してきました。福山でも3回の交流会と報告集会を開催し原告との交流を深め、闘う意味を心に刻んできました。そうした集会・交流会に大邱の李容洙さんや「ハルモニとともにする市民の集まり」のみなさん、日本各地の支援者のみなさんが参加してくださり、国の内外に幅広いネットワークができてきました。詳しくは福山連絡会の機関紙をご覧下さい。そして今年12月8日、西野瑠美子さんをお招きし1周年記念集会を開催し新たな闘いの一歩を踏み出しました。関釜裁判は準備書面の提出が終わり、証人申請が受理されるかどうかの段階に来ています.なんとしても世論を盛り上げ証人尋問を実現し私たちに有利な状況に導いていかなければなりません。私たち福山連絡会もVAWW-NETのみなさんと力を合わせ、関釜裁判を勝利するとともに戦後補償問題全体の解決のため全力を尽くしていきます。いま、9時の夜行バスに乗るのに急いでいます。乱文をお許し下さい。(都築寿美枝)
  • 「女性法廷」に向けてのエール!「慰安婦」問題を考える女たちの会(岡山)
  • 沢山の日本兵に聞き取り調査をされている方から、そのほとんど100%に近い日本兵が、今だに何の罪の意識も感じていないと言うことを伺って、今まできちんと責任者を処罰してこなかったことの重大性をつくづく感じた。「女性法廷」で、はじめてそれを行うという期待と責任を感じています。(加藤喜代美)

    ハルモニたちの悲しみを
    ダーニャンたちの苦しみを
    わたしたちは決して忘れない
    終わりなき殺りくのhistoryに
    今こそ終止符を打つのだ
    女(わたし)たちの手で!!(藤田えり子)

    「不当だ。ひどい目に会わせた人間は責任をとれ。」と雄弁に語るようになる。自尊感情はこんなに人を変え、元気に強くする。
    戦時下の性暴力は、天災でもなく避けられない運命でもない。行為の責任者が必ずいる。
    不当行為を明らかにし、責任者を特定することで元気になる女性がどんどん増えるでしょう。女性国際法廷に期待しています。(岡山市一般市民勤労婦人 前田多嘉子)
  • フィリピン人元「慰安婦」と共に・ルナス(大阪)
  • 年末をむかえフィリピンのリラ・ピリピナで活動していた被害者が2人亡くなりました。12月に亡くなられたルシア・アルバレスさんはアセアン会議のために訪比した小渕首相に早期解決を直訴に行って果たせず無念の死でした。「女性法廷」でロラたちの正義が明らかにされることを強く願っています。女性への性暴力を根絶するための一歩が必要です。大阪では横山ノック知事のセクシャルハラスメントが問題になっています。辞任を要求して大阪府と交渉を行いましたが、府は知事本人から事情聴取もせず、大阪府が作成し知事の責任で出された「セクシャルハラスメントのない快適な職場づくり」という指針は、知事には適用されないとのことでした。作った本人が守らなくて良いとは! そんなバカな! こんなことがまかり通るのも、性暴力は重大な犯罪であるという認識がないからです。ぜひ「女性法廷」を成功させましょう。(原田恵子)
  • 「慰安婦」問題を考える会(山形)
  • 「「慰安婦」問題を考える会」という数人のグループで山形にて活動をはじめて約四年。この秋、『南京1937』上映会、班忠義さんを迎えての集まりを通じて、各グループの交流・協力関係がやっとできはじめたところ。この問題に関しての地元調査は、私たちのグループ1~2名で、手をつけはじめたばかり。
     一般的にではなく、具体的にこの地の戦中・戦後の歩みにせまりながら、「法廷」にとりくみたい。山はいくつも。
     VAWW-NET Japan最新ニュース、大阪、鹿児島など各地のとりくみ紹介には心励まされました。(山野和子)
  • 12.12シンポジウムへの期待~元「慰安婦」問題を考える会・福井(福井)
  • 1999年は大きく右旋回をした年として長く記憶されるのではないでしょうか。戦後たったの55年で、また次の戦前状況がかもしだされようとしています。それも戦争責任の処理を放棄したままです。
     このなかで慰安婦問題に関して責任者処罰という新しい課題から取り組んだ「女性国際法廷」に期待しています。12日には各地での性暴力の報告と「慰安婦」裁判の説明がされますが時宜を得たものとおもいます。
     福井からの運動としては独自のものを打ち出せませんが、不二越訴訟の支援と毎月の集会で状況把握に努めています。この集会が1年後に大きく花開くことを願っています。(嶋田千恵子)
  • 旧日本軍による性的被害女性を支える会(名古屋)
  • 姜徳景(カン・ドッキョン)さん、責任者処罰を行う女性国際戦犯法廷が開かれます!

    姜徳景(カン・ドッキョン)さん、あなたが、97年2月2日、日曜日、韓国ソウルの病院で、亡くなられてから2年10ヶ月が過ぎました。日本国内を点々と連行移動、日本軍性奴隷としての生活を強制され、67歳で逝かれるその日まで、姜さん、あなたは、各地で辛い証言と日本政府への糾弾を行い、酷薄な経験を絵に描き、映画「ナヌムの家」でも、その気高い闘いを生きた姿で示されました。亡くなるその日まで、「国民基金」を厳しく拒否し、公式謝罪と個人賠償を求める固い意思は、あなたの描いた最後の絵「責任者処罰を!」とともに、あなたとあなたに繋がる日本軍性奴隷にされた被害女性の遺言となりました。
    姜さん、「国民基金」を拒否し気高い歴史的な闘いを闘っている被害女性たち、そして無念の想いで亡くなった被害女性たちに応え、責任者処罰を求める女性国際戦犯法廷が開かれます。名古屋では旧軍人聞き取り調査などをして「法廷」の成功を願っています。それが姜さんの遺言にこたえることになると思うからです。姜さん、真っ直ぐ見つめる眼といつものあの笑顔で見守っていて下さい。(小野政美)


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